Combinatorics
Kohei Yamashita × Kotaro Tategami

美術家・山下耕平と鬣恒太郎によるシルクスクリーンポスター「Combinatorics」を展示・販売します。 「Combinatorics」とは組合せ論を意味する数学用語で、本プロジェクトでは、山下と鬣が制作した各2版、計4つの版を用いて、組合せ論に基づいて11種のシルクスクリーンポスターを制作しました。 組合せというルールと印刷上での出来事に身を任せることにより、お互いの意図や調和とは離れたところでイメージが掛け合わされることで、コラボレーションという制作方法における新たな形を示します。

会期:2018年11月10日(土) - 11月18日(日)
時間:12:00 - 20:00
場所:MEDIA SHOP
*初日11月10日(土)19時より,オープニングパーティを開催します。

企画=山下耕平
アートワーク=山下耕平,鬣恒太郎
刷り=鳥居本顕史(京都孔版)
デザイン・編集=芝野健太
サイズ=594×420mm(A2)
印刷=シルクスクリーン 2〜4版刷り
エディション=11種・各ed.5


装丁の凝ったアートブック,紙ジャケットのレコード盤,35ミリフィルムで撮影されたモノクロ写真…益々アナログ志向が加速する。
好きなバンドのツアーポスターが,遠くアメリカはウィスコンシン州から届く。それはシルクスクリーンで刷られたものだった。3色インクの重なりが作業工程を想像させる。インチサイズのパール紙を最大限に生かした構成は,デザイン性が感じられないほど乱暴だ。しかし,かえって心地が良いものである。
今回,鬣恒太郎と協働する手段として孔版画技法によるポスターを選んだのには,こういった個人的体験が大きく関わっている。

“Combinatorics”とは,組合せ論を意味する語である。このプロジェクトでは,4つの版の組み合わせを元に11種のシルクスクリーンポスターを制作する。
山下と鬣が各2版ずつイメージを作成し,そこに芝野健太のデザインと編集が加えられる。順序と配色の固定された図像が,鳥居本顕史の手によって紙に刷り重ねられ,ようやくポスターとして完成に至る。
決められたルールの中でプリントされた結果は,もはやコントロールが不可能だ。誰ひとり完成予想図を描き切れないこの状況を楽しみたいと思う。

2018年10月 山下耕平


山下耕平(やました こうへい)
美術家。1983年茨城県生まれ。2010年、京都市立芸術大学大学院美術研究科造形構想修了。平面・立体・インスタレーション等多岐にわたる表現手段を用い、距離感覚を揺さぶることで現在位置を測る。主な展覧会に個展「WOODS」TEZUKAYAMA GALLERY(2017)、「中景 −The Glory (of phenomenon) : Act U−」HOTEL ANTEROOM KYOTO(2016)など。またアートブック「辺集」等のプロジェクトや展覧会の企画も行う。
https://koheiyamashita.jimdo.com

鬣恒太郎(たてがみ こうたろう)
1981年兵庫県生まれ。2013年、京都造形芸術大学大学院芸術表現専攻総合造形領域修了。主な展示にFinch Arts(2018) 、京都芸術センター(2016)、ARTZONE(2014)、「ALL NIGHT HAPS 人と絵のあいだ」HAPS(2016)、「Dance Fanfare Kyoto 03」元立誠小学校(2015)、アートブック「辺集」(2015)など。

鳥居本顕史(とりいもと たかふみ)
美術家。京都孔版 代表。1985年大阪生まれ。2017年、京都市立芸術大学大学院博士後期課程版画領域満期退学。同大学非常勤講師。版画作品を用い、表面を裏側から見る行為を生み出す装置を制作する。主な展覧会に、個展「STACK(pre)」京都孔版(2018)、個展「1より小さく0より大きい1」@KCUA(2016)など。博士課程在学中の2015年より、京都市伏見にてシルクスクリーン制作工房「京都孔版」の製作プロジェクトを始動、改装作業を終え、現在プレオープン期間中。2018年末に正式オープンを予定。

芝野健太(しばの けんた)
グラフィックデザイナー・印刷設計者。1988年大阪生まれ。2010年、立命館大学理工学部建築都市デザイン学科卒業。ノマルを経て、現在は美術印刷に特化した印刷会社、ライブアートブックスに所属。主に美術や建築にまつわる印刷物のデザイナーとして、印刷物の設計から企画・デザイン、工程・品質管理までを行っている。 http://www.kentashibano.com