視点と支点――最短距離のロードムービー
高嶋晋一+中川周
視点と支点――最短距離のロードムービー
高嶋晋一+中川周
Perspective and Pivot Point: The Shortcut Road Movie
TAKASHIMA Shinichi + NAKAGAWA Shu
会期:2019年1月5日[土]―20日[日]
   *会期中無休
時間:12時―20時
   *最終日20日[日]は18時まで。
   *イベント開催中は、展示をご覧いただくことができません。
会場:MEDIA SHOP | gallery 企画:高嶋晋一+中川周、櫻井拓
広報物デザイン:大西正一
問い合わせ先:sakurai.atelier.of.edition@gmail.com


私たちは今回「ロジスティクス・ムービー」なるものを試みる。ロードムービーのあてどなき彷徨を、物流や輸送のように機能的な、点と点の最短距離の移動へと一旦は置換する。そして単線的で単眼でしかない映像に分岐や奥行きを生じさせる。つまり彷徨を極小の逸脱へと圧縮するのが、ロジスティクス・ムービーである。
通常レンズは一方向だけでなく、前にも後にも双方向に像を結ぶ。しかしそれを見る私たちの存在が、一方の光の進入を遮ってしまうので、もう一方のほうしか像を結ぶことがない。つまりカメラは(左右に二つ眼があるヒトと異なり)潜在的には前後に二つ眼がある。この双方向レンズのモデルを応用することで、一方向的な時間の流れをもまた前後へと分岐させる。映像は、ドライバーが進行方向を忘れるような、現在と切り離された過去を現出させ、「一本道の迷宮」と化す。自らの現れそのものによって紛失しているものを露わにすることで。
今日溢れかえり飽和状態にある映像。世界を記録するにも物語を語るにも、そもそもその前提となる、映像に固有の時間のフォルムを見定めなければ行きづまりに陥いるだろう。私たちが仮説的にロジスティクス・ムービーと呼ぶのは、その見定めの実践に他ならない。
高嶋晋一+中川周

◆高嶋晋一+中川周 TAKASHIMA Shinichi + NAKAGAWA Shu
高嶋は1978年東京都生まれ、中川は1980年高知県生まれ。2014年より共同で映像制作を開始し、それ自体は画面内に見えるものではないカメラの運動性を基軸とした作品を発表する。主な展覧会に「第10回恵比寿映像祭」(東京都写真美術館、2018年)、「引込線2017」(旧所沢市立第2学校給食センター、埼玉)、「無条件修復 UNCONDITIONAL RESTORATION」(milkyeast、東京、2015年)など。

イベント

1月5日[土]19時―21時
[オープニングトーク]「カメラの/と存在論」をめぐって
出演:佐々木敦(批評家)?高嶋晋一+中川周
入場料:1000円

1月13日[日]18時―20時
[番外篇トーク]野生の技術――デザイン・アート・編集における自由
出演:宇平剛史(美術家・デザイナー)?神村誠(デザイナー)?大西正一(デザイナー)?櫻井拓(編集者)
入場無料

1月19日[土]19時―21時
[クロージングトーク]被写体と被主体――被られたのは誰か?
出演:煖エ耕平(美術家)?麥生田兵吾(写真家)?高嶋晋一+中川周
入場料:1000円


*すべて会場は展覧会場。各回とも予約不要、定員50名。